悩み
発達障害の育児って、本当に死ぬほど大変ですよね…
私も特に長男が小さい頃は、分からなくて怒鳴ってばかりで親子でツライ日々でしたね。
俳優の栗原類さんは小学1年生の時に、アメリカでADHDと診断されてるんですが…
そんな類さんのお母さんが出した本が、発達障害の子供を育てる方法のバイブルな内容で読んでよかったです。
ブレない子育て 発達障害の子、「栗原類」を伸ばした母の手記 という本を、ぜひ紹介したいです。
類さんをアメリカと日本の学校で学ばせているので、アメリカと日本の教育のいいどころ取りの育児法を行っていて、とっても勉強になったし、たくさんの人に知ってほしいと思いました。
この記事では
- 基本的に栗原類さんのお母さんブレない子育ての本の要約です。
- 発達障害のお子さんを育てていると発生する苦労や悩みに対して前向きになる思考が身につくと思います。
- ADHDとASDの長男を育てている私も気持ちが軽くなりました!
栗原類さんを育てた方法①発達障害についての考え方
発達障害って、こうなんだ
- 試行錯誤していくら努力しても、どうにもならないことがあると結論が出たそうです。
- 怒られすぎると、自分のミスの大きさの違いも分からず、反省もしなくなるという体感があるそうです。

あと”歯医者や行き慣れていない病院で全力で拒否して大騒ぎする”エピソードが、長男と全く同じ!と共感しまくりでした。
対応してくれる病院や美容院を探すのに苦労したそうで、一緒だなーと思いました。
発達障害の子どもに身につけさせる方法
- 類さんの場合は、「先に注意して最後にほめる」という方法が効果的だったそうです。最後にダメ出しすると、ネガティブなイメージが残るそうです。
- どうすれば頑張れるかを見つける。
- 子どもらしくない言動も特性になる子が多いけど、子供らしさを求めるよりも、子供自身がどうすればマナーを身につけやすいかを優先したそうです。
ポイント
- 最後のダメ出しでネガティブなイメージが残るっていうのは、発達障害の子は多く当てはまるかもしれません。
- ADHDの子は、自分の好きなことではないとやる気が出ないので、「どうすればやる気が出せるか」と思考できるようになるといいですね。
- 「子供らしさ」というか「多数派」「普通」は諦めましょう。むしろ「少数派で面白い」くらいに考えると楽ですよ。
根気強く教える
- 発達障害に関係なく、子供に注意してもすぐに改善出来ない場合もあります。
- それでも根気強く教えるんです。
- その言葉が頭と心にガツンと入る日は必ず来ます。
- 「知っている」と「知らない」の差で全然違います。
栗原類さんを育てた方法②アメリカと日本の小学校の教育の方針の違い
アメリカの小学校・教育…と言っても、栗原類さんの行っていたアメリカの小学校の話です。
ほめて育てます
- 親も否定形を使わずに具体的に指示を出し、聞き入れたら必ず「good」とほめる。
- 子供を個人として尊重しているからです。
- アメリカの目標設定は「悪くなければいい」と、ハードルが低いそうです。
その分、親には厳しいです
- 成績のことは子供本人に言わずに、親に容赦なく言ってくるそうで、子供に伝えるのが親の仕事になるそうです。
- 親の言動も子供に影響を与えるので、先生は厳しく注意してくるそうです。
アメリカで求められる大人
- 自発的に手を上げたり、役に立ちたいと考えられるようにしなければいけないという考えです。
- 日本では上司や教師に言われたとおりに動くのが基本になっていますが、アメリカでは最高のパフォーマンスをすることが大事だそうです。
競争社会の中で、数字にシビアで容赦ない
- アメリカは競争社会なので、小学校から成績の数字にシビアで、小学1年生から留年があります。
- 集団行動や勉強ができないと、きっちり身につくまで留年させられます。
- 3年生以上の暴力行為、差別的発言は数日の停学、改善せず繰り返したら退学で、いじめや反抗にも厳しい対応があります。
- ”学校のルールは法律じゃない”ので、「〇〇を持ってきてはダメ」と伝えるけど、持ってきていても怒らず、そのモノでトラブルがあっても仲裁しない、責任は取らないというスタンスだそうです。
真のリーダーシップ教育を理解し身につけた人達というのは、ガンガン主張していくのではなく、むしろ柔らかなトーンで話し、相手がどう言われたら折れるか、どう言われたら動いてくれるかを考えながら主張します。
ポイント
- 一律教育と留年、真逆ですよね。留年、身につかなかったなら、もう1年あってもいいんじゃないかな、と個人的には思います。
- アメリカはいじめに対する処罰は厳しいです。ただ、アメリカにもいじめはあるんですよね。
栗原類さんを育てた方法③視野が広くて勉強になった
栗原類さんのお母さんが心掛けたこと
- 楽しいことを少しでも多く提供することを心掛けたそうです。
- たくさんCD聴かせたり、ライブや映画になるべく連れて行き、楽しいことを共有し、芸術の教養はを身につけさせたそうです。
- 「世界は広いこと」を教える方法の1つに、20か国以上旅行したそうです。
- バイリンガルも含めて、とにかく類さんの仕事の選択肢が増えるように、すごく行動をされています。
- お母さんがリサーチし環境を整えて、メリットとデメリットも伝えてから、最終的には子どものことは子どもに選択させています。
自分を追い詰めないためにも、子どもも親も「世界は広くて、ちょっと他の場所に行ったら、こことは同じではない」ということを知ること、体感する必要があると思います。
ポイント
- 特に発達障害の子はいじめのことも含めて、「逃げ場がある、違う世界がある」ことは知っておいた方が良いと思います。
- 進路や仕事の選択肢を増やすための行動は見習いたいです。

- 「楽しいことを少しでも多く提供」は私も心掛けています。
- まずは「好きなことに関する情報提供をする」と「好きなことを絡めて行動範囲や世界を広げる心掛け」をしています。
- 年齢が上がると、おしゃれや音楽の趣味で友達決まることもあるので、いろんな音楽を聞かせたり、おしゃれは促したいなーと企むことにしました。
マナーも大事だけど、優先すべきことは赤ちゃん
類さんが1歳の時に、類さんの父親が亡くなったので、葬儀のために初の海外に連れて行くことになったそうです。
そこで色々調べた結果、酔い止めの薬を小児科で処方してくれることを知り、当時の小児科の主治医に相談したら…
「乳幼児用の酔い止めの薬ってね、要は睡眠薬なの」と先生。
(略)
「泣いたりぐずったりして困るのって子ども本人じゃなくて、隣の席の人にイヤな顔されるとか、イヤな顔されたくないからとかそういう話でしょ?そんな見ず知らずの、飛行機降りたら二度と会うこともないアカの他人に気を使って、子どもに余計な薬を飲ませる必要なんてない。だから出さないよ。」とキッパリ言われました。
日本人って、公共のマナーにうるさい。
だから日本人はマナーが良いと言われるし、多くの人が快適に過ごせる環境になっていると良い点でもあるんです。
ただ、子供に余計な薬を飲ませるか、と比較をすると、この先生の言う通りだと思いました。
この考え方も、ハッとさせられました。
栗原類さんを育てた方法③学校への配慮をお願いする時の心得
発達障害のお子さんの配慮を学校にお願いをして受け入れてもらえないことはあります。
いくら法律が決まったとしても、現場はまだ追い付いていない印象を受けるのが現状です。
栗原類さんのお母さんは…
- 配慮をお願いする
- 断られる
- 「ですよねー」と応じる
- クラス替えや進学で同じ配慮をお願いする
を、繰り返し、「まあ理解されないよね」と期待をせず、少しでも聞いてもらえたら感謝をする姿勢だと、心が折れないそうです。
ポイント
- 日本の学校は、発達障害への知識や配慮は、今はまだ発展途上なんだと思います。
- 保護者は勉強して交渉力をつけた方が、配慮を受け入れられる確率は上がるかもしれません。
- 日本の学校でも、学び方の多様化が当たり前になるように、徐々に進むといいですね。
- ただし、先生と、学校と戦うという姿勢は避けたいですね。

子どもが病むようなら「学校に行かない」でいいと私は思いました。
心が壊れるくらいならですよ。
長男も不登校で、苦しい場所になっている可能性があるので「行かなくていい」と伝えています。
理想の社会・教育
板書が苦手ならスマホで撮影させる、視力が弱い子には眼鏡やコンタクト、など…
栗原類さんのお母さんは
「結果の平等ではなく機会の平等を」
(略)
(日本では)「みんなが同じものを使って勉強する」という結果の平等を優先させるのです。
と、おっしゃっています。この言葉が浸透することを願っています。

日本の一律教育の悪い所ですよね。
「一緒じゃないと、ずるいと言われる」
「それを言う子に納得いくように説明できんのかい」って思うんですけどね。
まぁ、面倒なんでしょうね…
「お子さんだけできません」に対して
ちなみに、保育士さんや先生の「〇〇ちゃんだけできない」は受け流すでOKです。
類さんのお母さんは逆に「これは類しかできませんけど」と言い返したそうです。
ポイント
- それが出来ないと将来困るなら、スモールステップでやりすごせるレベル・低い目標を目指しましょう。
- それが出来なくても困らないなら、「出来なくても生きていける」でもいいんじゃないかな、と思います。
栗原類さんの母の発達障害児の子育て法のまとめ
- 発達障害は、どんなに努力してもどうにもならないこともある。
- がんばれる方法を見つける。
- 将来身につけた方が良いことは、根気強く教えれば、いつか理解して出来る日がきます。
- 楽しいことを提供・共有する。
- 世界は広いことを教え体験させる。
- 進学・仕事の選択肢が増えるように、準備やリサーチなどの環境設定をして、あとは本人に決めさせる。
- 学校への配慮のお願いは、期待せずに諦めずにで、心を折れないようにする。