アドラー心理学に出会って、子どもとの距離感をとれるようになり、子育てが少し楽になりました。
子育てだけでなく、仕事や人間関係も考え方によってかなり楽になりました。
「子育てしんどい」と悩んでいる親御さんが、少しでも楽になれば、と思っています。
一緒に少しでも発達障害の子育てを楽にしていきましょう。
アドラー心理学の子育て①ほめない
アドラー心理学では、ほめて育てると「ほめないとしない人になる」という考えです。
その代わり、「人が喜んでくれてうれしい」という気持ちで動けるようになることがいいそうです。
だから、「ほめる」ではなく「感謝」をするのです。
「えらいね」じゃなく「助かった、ありがとう」と伝えるといいそうです。
貢献できた言動に感謝する。
子どもは自分が「人の役に立っている」と思えると自信につながります。
どうしても褒めたい場合
- 良い点数を取った時点で喜んでいるのだから、ほめなくてもいい。
- 結果ではなく、過程を褒める。
- 褒めるとしても、淡々とした様子でほめましょう。
アドラー心理学の子育て②叱らない
叱られて言うことを聞くのは、「親が怖いから」その時は直すのです。
叱って強制していると、指示待ちする消極的な子になってしまいます。
叱らない子育てのポイント
- 親と子は対等であるべき
- 叱らずに、「こうするんだよ」説明すればいいのです。
- 問題行動を起こして親の気を引く場合は、叱らずに冷静に対応するのが望ましいです。
- 子どもを傷つけてしまったと思うなら、すぐに謝罪をしましょう。
感情を使わない
子どもは言葉がしゃべれるようになっても、泣いたり駄々をこねてお願いを聞いてもらおうとします。
大人が感情的に叱ったりしているので、まずは大人が言葉で伝えるという見本をみせるのです。
そうすれば、子どもも言葉で伝えられることが分かる。

私も感情的になる方なので、子供たちの怒り方は私の見本になっていると思うと反省ですね…
アドラー心理学の子育て③課題の分離
この課題の分離を知ってからは、ムダなストレスがなくなりました。
子どもを親の所有物と勘違いしてはいけません。
親が子どものことを一番知っているとは限らない。
家での顔しか知らないのです。
外での子供のことは知らないのです。
子どもを思い通りにしない
「過去と他人は変えられない」と割り切って考えるようになったら、本当に楽になりました。
つまり、子供は思い通りにならないと割り切るのです。
将来、言われたことしかしない大人にならないためにもです。
親の私たちだって、夫から「こうしなさい」と自分の希望と違うことを言われたら、大きなストレスです。
子どもが「生きていくのが苦痛」と思わないで欲しいと願っているなら、気を付けたいですね。
子どもが自分で決める
親は子どもの課題に頼まれてもいないのに踏み込んではいけない。
子どもの人生は、子どもで決める。
ポイント
- たとえ途中で変えるのも、子どもが決めることです。
- 助けを求められないかぎり、親は動かないことです。
- 子どもの人生を生きられないし、責任は取れないからです。
発達障害の子どもの場合は、他の子供よりはフォローがいる場面が多いです。
ただ最後の決定権は、子供自身にさせることが大事です。
本田秀夫先生がよく仰っていることです。
親はたくさんの選択肢を準備して、メリットとデメリットを子供に伝えるだけで良い。
どうしても心配な場合
子どもには「何か手伝えることがあったら言ってね」と伝えておく。
援助の要請があれば、できる範囲で援助をしましょう。
子どもの言動に不安や疑問を感じた場合は、率直に「心配なんだけど」と尋ねてみればいいのです。
対等な関係に
日頃から子どもが大人に援助を求めやすいような良好な関係を築いておく必要があります。
ポイント
- 親は子供に対して上から目線で叱っていては築けません。
- 命令ではなくお願いをするのです。
親はつい、子供の上の立場と思いがちです。
私も思っていました。
対等と意識すれば、思い通りにしようと口出ししないし、感情的にもならないかと思います。
私もその意識を忘れないようにしていきたいです。
勉強をしてほしいなら
そうは言っても、親は子供が勉強をしないと心配になってしまいますよね。
ポイント
- 「勉強しなさい」と言うのではなく、知らないことを知る楽しさなどを教えるのです。
- 「あまり勉強をしているように見えないから心配してるよ」と伝える。
子どもは親のために勉強をしていない。
そのことは忘れないようにしておきましょう。
アドラー心理学の子育て④子供が失敗をした時
大きな失敗をしてしまった場合に、また同じ結果を出さないように、その課題に取り組まないという選択肢を選んでしまう場合がります。
理由を付けて課題に取り組まないことを「劣等コンプレックス」と、アドラーはいいます。
親の対応法
- 結果ではなく、努力した過程に対して「がんばったね」と注目しましょう。
- 落ち込んでいる時は、「何かできることはある?」と尋ねる。
失敗は失敗じゃない
発達障害の子は、失敗するとダメージが大きくなりがちです。
- 失敗は一生懸命取り組んだ証です
- 勇気のない人は、人のせいにしたり、二度と取り組まなくなる
- 勇気のある人は、失敗から学び、次の行動をする
大事なのは「原状回復と”再発防止”。謝罪が必要なときもあるね。」
目的を見つめよう
「しょうがないね」で終わるんじゃなく、「これからどうするか」を考えるんです。
- 「過去の原因から考えるのではなく、今の目的を考えることだ」
- 「失敗」で終わるか、「成功へのステップアップ」にするかは、自分次第
「他人と過去は変えられない」ので、何かのせいにしたり、失敗をいつまでもひきずることはムダな気がします。
「今の自分にできるベストの行動は?」と考えられるようになってから、本当に楽になりました。
トラウマについて
トラウマは、それが自分の人生に大きな影響を与えた出来事だ」と意味づけしているだけのこと。
アドラーは、「変われない」じゃなく、「変わらない」とあなたが決めた結果と言います。
人生はあなたが決めている、という考えです。
ポイント
- 意味づけを変えれば未来は変えられる
- 原因ではなく、目的に目を向けよ
- 自分がどうありたいか、どうしたいかという目的が自分の人生を作っているんだ
- 目的論=未来は自分で決めていける
過去は変えられないけど、過去の解釈を変えることで今も未来も変わってくる。
なかなか難しい答えです。
でも、「自分で決めているんだから」という考えを100%にしなくても、50%くらい取り入れて、変えられる場面では採用する、くらいの受け取り方でもいいかと思います。
アドラー心理学の子育て④コミュニケーション
コミュニケーションを学べる子供向けのアドラー心理学のワーク本で、うちの子供達も学んでみました。
命令とお願いの違い
言い方で、ケンカになるかならないかの分け目になります。
- 命令口調 → 「しなさい」「するな」
- お願い口調 → 「~してもらえる?」「そうしてもらえるとうれしい」
子供達も、命令口調よりもお願い口調だとカチンとこないことが分かりました。
命令口調だとケンカになる確率が上がり、お願い口調だとお願いを聞いてくれる確率が上がるので、お願い口調だと得をするんです
私メッセージとあなたメッセージ
- 「私は」を主語にして自分の感じたこと・気持ちを話す方法を「私メッセージ」といいます。
- 「あなたは」が主語の「あなたメッセージ」は、相手を決めつける話し方になってしまいます。
「私メッセージ」だと、自分の考えや気持ちが相手にしっかり伝わります。
遅刻した時に
- 「(あなたは)いつまで待たせるんだ」
- 「ずっと待ってもこないから(私は)心配してたよ」
悪口を言われた時に
- 「お前も意地悪だな」
- 「そんなこと言われると、ぼく悲しいな…」
同じ場面でも、こんなに印象が違う言葉になります。
多くの人は、下の私メッセージの方が「自分も気を付けよう」と思えます。
大人も意識して、子供にも伝えていきたいです。
主導権争いからおりる
あるテーマについて話し合っていると、途中から「相手には負けたくない」が目的に変わってしまうことがあります。
こんな状態を「主導権争い」と言います。
主導権争いになってしまうと
- どっちがエライかを決めることが目的になってしまいがち。
- イライラ→怒り→傷つくという流れにもなってしまうことがある。
主導権争いを避けるポイント
- ステップ1:委員長のぼくを差し置いてイライラする!(自分のイライラに気付く)
- ステップ2:話し合いの目的は当番を決めることだった。(主導権あらそいからおりて、目的を確認)
- ステップ3:すこし休憩時間を入れて、あとでまた話し合う(目的に戻るための提案)
共感的に聴く
- 相手を勇気づけようと思ったら、アドバイスや意見はいらない
- 話をよく聞いて、相手の感情を言葉にできることが理想です
- 「共感」に徹するだけで、聞いてくれた相手は気持ちが軽くなります。
「アドバイスは求めてない、聞いてくれるだけでいいの」と、最近よく聞きますね。
相手の感情を言語化するのは、うちの息子たちにはハードルが高すぎます。
「アドバイスはせずに、「大変だったね」と共感するだけでいい」と、私も最近知ったので、子供達と共有していきたいですね。
感じ方・考え方は人それぞれ
クラスでの話し合いで、絵をかいてる子、おしゃべりをやめない子、ふざけている子、自分の考えを押し通そうとする子、居眠りしている子。
様々なタイプの協力的じゃない子の中で、どの子ががまんできないか?順位と理由を親子で決めてみました。
私たち親子の順位
- 長男は居眠りしている子も許せない。
- 私は邪魔はしていなから居眠りの子は何とも思わないけど、おしゃべりは話し合いの邪魔だからイヤだなと思う。
話し合って分かったこと
- 考えは一致させなくていい
- 自分のものの見方がすべてではない
- 他の人の考え方を知って関心をもつことが大事
子どもとアドラー心理学のコミュニケーションが学べた本です
アドラー心理学の子育て⑤まとめ
子育てでいちばん大事なこと
アドラー心理学の本を書いている著者が言うには…
悪い親なんていなんです。
適切な対応法を知らないだけなんです。
理想と違っても、大事な子供と思い、ありのままの子供を認める。
病気になれば「元に戻って欲しい」と、生まれたばかりの時の「元気で育ってくれれば」という思いを忘れないようにしよう。
あれこれ求められるよりは、こう思ってもらえるだけでも、子供は幸せです。
私も「ありのままの子供を認める」は、できていません。
過去は変えられないので、今からでもこの「ありのままでいい」を忘れないようにしていきます。
発達障害の子育て×アドラー心理学
とは言っても、発達障害の子育ては多数派の子育てよりは、フォローを手厚くしなければいけません。
我が家の場合は…
長男も中学生なので、助けて欲しいタイミングは本人の希望の時だけでいいかな。
本田秀夫先生が言っていた、思春期の親は情報を集め子供にメリットとデメリットを伝えるだけ。
「決めるのは子供」
あとは、子どもができる回数が増える仕組みづくりも、本人と相談しながら作っていく。
「子どもに決定させる」って、イヤイヤ期で大変な1~2歳からでも採用した方が楽な場面はあります。
私が子育てをやり直せるなら、大変だった2歳くらいから子供に決めさせます。
その方が、発達障害の子育てはもう少し楽だったんじゃないかと考えています。
アドラー心理学の子育てで参考にした本です